この記事では「サクッとわかるビジネス教養行動経済学」を要約します。
行動経済学とは別名「マーケティング」と言われることもあります。
行動経済学を学ぶと消費者の行動が理解できるようになるので、マーケティングの質が上がります。
また、人間の「非合理的」な行動を理解できるので無駄遣いを減らしたり、不必要な消費を抑えることにつながります。
無意識のうちに人は動かされていることを知れるだけでも、勉強する意味はあると思います。
この記事では、行動経済学を学ぶメリット3選とマーケティングに活かす方法について説明します。
行動経済学とは?

行動経済学とは、「経済学と心理学」を組み合わせた学問です。
人間は合理的に経済活動をしないことを前提として、心理や感情的な要素を考えた行動経済学が生まれました。
こんな経験はありませんか?
「レジの横にあるお菓子をついつい買ってしまった」
これも本来買う予定のなかった買い物をしてしまっているので、合理的な行動とはいいにくいですよね。
このように人は無意識のうちに何らかの情報や意図のもとに動かされてしまっています。
行動経済学を学ぶと自分がなぜ非合理的な行動をしているのかが分かります。
お金で損したくないと思う人は、一度学ぶことをおすすめします。
行動経済学はこんな人におすすめの学問です。
- 衝動買いをよくしてしまう人
- 投資で損をした経験がある
- ギャンブルをやめられない人
後悔する機会を減らすために行動経済学を学びましょう!
行動経済学メリット3選

行動経済学を学ぶメリットは3つです。
- マーケティング
- マネジメント
- 自己実現
行動経済学はいろんな場面で応用がきく学問です。
それぞれ解説していきます。
1.マーケティング
意思決定のくせを知ることで、消費者に商品を買わせることができます。
例えば、ダイエット事業を成功させるためには「返報性」と「サンクコスト効果」の2つの心理効果が使われています。
よく使われている「結果が出なければ全額返金!」と謳うダイエット事業ですが、「結果が出なくても金銭的な損はしない」と感じることで、入会しやすくなります。
入会した後は専任のトレーナーがつき二人三脚でダイエットプログラムに取り組みます。
そうすることで、結果を出してトレーナーの労力に報いたい(返報性)という考えが生まれます。
また、「せっかく始めたからには続けないと損をする」というサンクコスト効果が働くので一度入会するとやめようと思わなくなります。
このように人間は変化より現状維持を好む意思決定のクセをマーケティングに活かすことで、消費者に商品やサービスの購入を促すことができます。
2.マネジメント
仕事を手伝ってもらう場面でも、行動経済学を応用することでYESを引き出しやすくなります。
面倒で大量な仕事を請け負った時は、同僚や後輩の手を借りたくなりますよね。
でも、面倒だからやりたがらないから人に頼むことって難しいですよね…
そんな時は、アンカリング効果とハーディング効果を使うとYESを引き出しやすくなります。
大量の仕事を任せられた時は、まず自分が任されている大量の仕事を相手にアピールしましょう。
その後に一部を相手にお願いすれば、頼まれた側は自分の仕事量を少なく感じる(アンカリング効果)ので、引き受けてくれる確率が上がります。
また、「みんなやってくれているから少しだけ手伝ってくれない?」のように同調を促すことで相手は断りにくくなります。(ハーディング効果)
集団から外れたくない人間心理を味方につけることで、マネジメントに生かすことができます。
3.自己実現
行動経済学を学ぶことで、目標達成に向けた自分の行動を変えることができます。
目指すべきゴールがあるのに、ゲームやアニメ、漫画などの誘惑に負けてしまった経験はありませんか?
行動経済学を学ぶと自分がなぜ誘惑に負けてしまうのかが理解できるので、対策を立てることができます。
なりたい自分、目指すべきゴールがある人はナッジ理論を活用しましょう!
肘で軽く小突くように、自発的に望ましい行動を選択するように促すこと
例えば、ナッジ理論を活用して読書習慣を身につけたい場合は以下のやり方があります。
- 環境を整える
「手の届く場所に本を置いておく」 - SNSを利用する
「今月は何冊読みますと宣言する」 - 小さな目標をつくる
「毎日10分本を読む」 - ペナルティを宣言する
「読まなかったら友達にご飯を奢る」 - ご褒美を用意する
「10冊読んだら、アイスを買う」
自分に合う方法を試してみてください。
行動経済学をマーケティングに活かす方法

行動経済学を学ぶメリット分かりましたか?
行動経済学を学ぶことで人の行動を操ることも可能になります。
ここからは、人間心理をうまく操ったマーケティング例について紹介していきます。
もらったら返したくなる心理
返報性とは、他人が自分のために何かをしてくれた時に、お返しをしたいと思う性質のことです。
例えば、スーパーの試食を食べた後に買うはずではなかった商品を購入してしまった経験はありませんか?
これは返報性の原理を活用したマーケティングの方法です。
他にも以下のような事例が返報性を利用したマーケティングがあります。
- 初回限定割引の効果
「初回は割引してもらったから次は定価で買おう」
「継続して利用しよう」 - 手土産
営業先に手土産を持参することで好感度が上がります - サンプル品のプレゼント
店頭でサンプル品を受け取ることで好感度が上がります
射幸性マーケティング
射幸性マーケティングとはサンクコスト効果を利用したマーケティング手法です。
サンクコスト効果とは、すでに投入して回収できない費用を無駄にしたくないという思いから、損することがわかっていてもやめられなくなってしまうことです。
こんな経験はありませんか?
- 課金したスマホゲームをやめられなくなった…
- パチンコで取り戻せないのが分かっているのにやめられない…
- FXや株式での損失を取り返そうとしてまた負けた…
これが人間心理を使った射幸性マーケティングです。
投資したお金、労力、時間を「もったいない」と考えてしまう人間心理を使っています。
依存症ビジネスと言われておりハマると危険なので気をつけましょう!
ネガティブキャッチコピー
人は得よりも損を重く感じる傾向があります。
利益と損失の額が同じ場合は、損した時のダメージは約2倍大きくなることが分かっています。
このことを、損失回避性といいます。
これを活用したマーケティング手法は、消費者の恐怖心を煽ることで商品の必要性をアピールすることです。
例えば、「そのまな板、実はウイルスまみれって知ってましたか?」というCMありますよね。
これは恐怖心を煽ることでウイルスまで除菌できる洗剤を売ろうとする企業側の戦略です。
ネガティブ思考も使い方次第でマーケティングに活用できるので使ってみて下さい!
行動経済学メリットまとめ

「サクッとわかるビジネス教養行動経済学」について要約しました。
内容をもう一度まとめます。
- 行動経済学を学ぶと非合理的な行動がわかる
- マーケティングの効果が上がる
- 人に承諾をもらいやすくなる
- 自分の行動を変えることができる
- お返ししたい気持ち「返報性」を利用する
- 「もったいない」気持ちはマーケティングに活用できる
- 人は得よりも損を重く感じる
まだまだ紹介しきれていない心理効果がたくさんあります。
世の中は人間の心理を悪用したビジネスがたくさんあります。
誰しも一度は「やってしまったなぁ…」と後悔した経験があると思います。
僕もギャンブルやブランド品など、今考えるとやってしまったなと思うことが多々あります。
この本を読んでからは「あ。この心理にハマってたのかぁ」と納得できました。
自分の行動を見直したい、目標を実現したいと考えている人はぜひ一度読んでみて下さい!
最後まで読んでいただきありがとうございました。